インタビュー04

なんでもします、と言って面接にパス。
やるからには負けたくなくて。

アパレル業界からの転職でカンディハウスに入りました。経験が生かせるショップでの接客を希望していましたが、面接で「なんでもいけます!」と宣言したせいか配属はハウジング営業。ハウスメーカーと家具・インテリアメーカーが集まる「インテリアフェア」という催事で、建主に家具やカーテンを提案するインテリアコーディネーターや設計担当者に対し自社製品をアピールする仕事です。「ハウジング」が何かもわからないまま、預けられた感じでした(笑)。
フェア期間が終わると、10社ほどの参加家具メーカーの売上順位が出ます。本社に、「下位だった」と報告するなんて私の中では「ない!」こと。1位は毎回某大手メーカーなんですが、それも受け入れたくなくて、追い抜くにはどうしたらいいか常に考えていました。そこで「得意先との関係性」に特化して、「頼んだこと以上のことを絶対にやってくれる人」と思われるよう努力しました。たとえばプレゼン資料や見積もり、お客さまへの案内の依頼があったら、お選びいただいたセットのみならず、トータル空間としてくらしを提案したり。そうすると徐々に信頼が得られ情報がもらえるようになり、それに合うテーマを考えてフェアを論理的に展開することができるようになったんです。やがて大きなフェアで上位に入るようになり、1位になったことも。競合各社の中で存在感を示せるとやっぱりうれしいですね。

東京支店がひとつになり、マネージャーに。
スタッフもひとつになるよう努力。

入社8年目に入った2021年の4月、東京支店は百貨店・家具専門店営業とハウジング営業に、別組織だったショップ部門が統合され、私は全体を統括管理するマネージャー職になりました。スタッフ同士の融合をいちばんに考え、自分のノウハウを若い人たちにさりげなく伝えたり、みんなを繋ぐ役割を意識して動いています。スタッフの世代や性格を考えながら、それぞれに合わせたアドバイスを心掛けています。


マネージャーの仕事は多岐に渡ります。まずハウジングチームの現場管理、自分が担当するイベントの対応、ショップの管理、各営業への指示など、神奈川から青森までの全エリアをみています。出掛けないときは1日の7割はショップ、3割はオフィスにいる感じでしょうか。オフィスではハウジングの数字を見たり、シフトの管理、毎月の営業状況と個人の数字を把握して会議に臨みます。ほかに、今年の残り3カ月でこういうことをやろう、製品の在庫状況を見て「次の催事にはソファーを積極的に展示しよう」といった具体的な戦術の提案もします。
催事中は他メーカーの様子を見たり、市場の傾向を分析するのも私の仕事です。たとえば今の注文住宅の床はグレー系がトレンドなので、グレイッシュな空間に合うダイニングやソファーの提案に力を入れています。また自分が本当に好きだと思える製品は、売り方を企画するなど考えを巡らせます。そうすることで納得のいく売り方ができるんです。

難しいのは営業の守備範囲が広いことと、
何より家具が天然素材であること。

当社は営業がさまざまなことに取り組みます。ショップでの接客から催事の担当、オーダー家具の相談、見積もりや請求書の発行、CADで図面作成、納品の立ち会いまでと幅広く、入社したての頃は大変でした。思い出すのは、タワーマンションの42階に造作家具を納品したとき。経験したことのない大きな物件で、夜のうちにパーツを運び込んでは、朝早く職人さんと取り付けに行ったものです。ただ、仕事を重ねる間に繋がる人がふえて、自分の世界が広がっていきます。私にとってはそれがこの仕事のやりがいですね。
それからこれは根本的なことですが、木製家具には「天然素材特有の性質」がついてまわります。木はその魅力の反面難しいんです。木目はひとつひとつ違って揃わないし、湿気だ乾燥だ、傷が付いたと問題も起きやすい。ですから営業には、お客さまに木のよさを多面的に伝え続けるという重要な役割があります。たとえば節があるとしたら、それはマイナス要因ではなく、その節があるから味わいがある、自然の中で生きてきた証という意識を持ってお客さまに接します。そうすれば「この節とてもいいですよね」と説明できる。ここは社内教育で徹底する必要があるので、私も研修会や勉強会でチームごとに繰り返し話しますし、新人研修でも必ず伝えています。

上層部との隔たりがない会社。
話しやすいから判断、決定も早い。

東京は特に、会社の役員が集まる機会が多く距離感があまりありません。ふつう偉い人が来るとピリッとするものですが、話しやすくアットホームな感じがあります。確認や報告がすぐにできるので反応が早くて無駄がないのもいい点。また、カンディハウスはものづくりにとても真面目なメーカーです。営業が胸を張って提案できるものをつくってくれている。だから何を提案しても、嘘をついたりごまかす必要がないんです。営業の能力だけで勝負しなくていいというか。それでも配慮が足りなくて失敗したことはありますけど。

こんな毎日なので時間も限られますが、ときどき海外旅行へ行ったりアート系の個展や美術館へ足を運びます。最近では念願だった川村記念美術館のロスコ・ルームにやっと行けました。気が向いたら仲間と集まって食事をしたり、夜ひとりで映画に出かけたり、あと、やっぱり好きな洋服を我慢せずに買いますね。

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