インタビュー08

開発と製造を一括して見る、
専門性の高い新設部署。

製造設計部は、2021年にできたものづくりのプロフェッショナルが集まる部署です。これまで新製品の開発・製造工程は工場ごとに進められ、初回ロット製作の段階でつくり方を考えていましたが、製造設計部が開発段階から加わることですべての製品の生産を一括して見られるようになりました。新製品をどんな手順でつくれば効率がよいか考え、生産ラインに乗ったあともより早く、誰がやっても同じ精度になるよう加工方法を組み立てます。工場全体の潤滑油的な存在ですね。この部署でワンクッション挟むことで無駄が省け、生産にのせるための全体の開発期間も短くなったように感じます。
その中で私の主な仕事は、今のものづくりで注力されているCNC(コンピュータ数値制御の最先端加工機)を効率よく動かすこと。覚えたての頃はしょっちゅう失敗して、大きな音と焦げ臭い匂いに工場長から「おくともぉ~~~~!!」と怒られては落ち込んでいました。入社5年になった今はそういう失敗もなくなり、やり直しのきかない特注の仕事を任されることもふえています。



係長になり、
新プロジェクトも立ち上がって。

2023年4月に係長になり、さらに責任の重さが増しました。仕事の幅も広がり、節や割れのある材料をどう使えばよいか判断したり、新製品のプログラムの最終確認や、工場を回って声掛けする役回りもふえました。本来は口下手なんですが、話を聞くのが好きなのでコミュニケーションはだんだん取れるようになってきた気がします。
新しく取り組んでいるのが、工場全体の流れをよくするための「未来の工場の在り方を考えるプロジェクト」。これまではキャパシティをオーバーする仕事は納期を延ばして対応するしかありませんでしたが、それを延ばさずに納品できるようにするのが目的です。最後の仕上げは人の手で、というこれまでの姿勢は変えずに、可能な限り自動化を進める方向です。まだまだヴィジョンも明確ではないし、今のところ“面白い”という領域には程遠い感覚ですが、チームでチャレンジして具現化したいと思っています。

BIC改善活動で年間賞を獲得。
でも改善はひとりではできない。

カンディハウスには「BIC」という改善活動があります。うちの部署はまさに改善が重要な仕事のひとつなので、必然的に多くレポートを提出することになります。その中で去年、主力製品「WING LUX(ウイング ラックス)」の機械加工の工夫などが評価されて年間最優秀賞に選ばれました。でも改善は、みんなとああじゃないこうじゃないと相談するうちできていくものです。後工程の人から「もっとこうしておいてくれると助かる」といった意見を聞き取って、前工程を直すというように。だからひとりで改善できたわけじゃないんです。
改善活動に限らず、話ができる相手がたくさんいるのはこの会社の特長かも知れません。失敗したときだって、叱る人がいてなぐさめる人がいる。自分の希望を聞いてくれたり、アイデアに賛同してくれる人もいます。だから興味のある仕事を担当できたり、自由にやらせてもらえてるんだと思います。ただ、ほめられて伸びるタイプなのにほめてくれる人はあまりいません(笑)。そこは、ほめられるまで諦めないぞ~!という意気込みで頑張っています。小中高とサッカー少年で根が体育会系だからか、負けず嫌いなんですよ。


ものづくりへの興味は小学生の頃から。
IFDAで入賞してデザイナーになるのが夢。

実は僕、カンディハウスには2回目の採用試験で受かっているんです。デザインの専門学校を卒業して受けたときは不採用。それがきっかけになって、大学に進学してスキルを高めてから社会に出ても遅くないと考えるようになり秋田公立美術大学に編入学しました。父に大学へ行きたいと話したのは、密かに編入試験を受けて合格したあと。父は驚きながらも「やりたいことがあるなら行きなさい」と言ってくれました。父は大工道具を販売する仕事をしていて、家にはいつもノミやカンナがありました。そうした環境もあって、僕の小学校の自由研究はだいたい本棚や木工小物。その頃から、いろいろな道具を使ってものをつくるのが面白くなっていったんです。
大学では「ものづくりデザイン」を専攻し、3年生のときインターンシップでカンディハウスでの仕事を体験しました。卒業を前に改めて就職先を考えたとき、カンディハウスは全国主要都市に支店があり最先端の機械をたくさん導入していて、やはり魅力的な会社でした。せっかくなら多くの人に愛用してもらえる家具をつくりたかったし、先端技術を身に付けてゆくゆくはデザインをしたいと考え、再挑戦したんです。ものづくりがわかるデザイナーになりたい、その気持ちは今も変わっていません。夢は「国際家具デザインコンペティション旭川[IFDA]」で入賞することです!

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