インタビュー10

英語が好きで、地元教育大へ進んだが──。

母がビートルズのファンだったことが英語を好きになったきっかけかもしれません。高校時代、憧れのギタリストの教則ビデオを参考に、彼らを真似て英語の教科書を読んだりするうち英語が上達したんだろうと思います。ただ、進学した教育大学(中学校教員養成課程英語科)では遊んでばかり(笑)。結果、唯一受かった航空自衛隊に入隊しました。厳しい訓練期間中は充実感があったものの、配属されてからは気持ちが変わって1年ほどで除隊。妻の出身地である名古屋に引っ越し、愛知県庁の建設部用地課に入りました。そこでふたたび英語への興味に火が付き、本格的に勉強し始めたんです。その後国家公務員試験を受けて合格、英語を使う機会の多い財務省(税関)に入省しました。
税関に入ってからは小樽、千歳、八戸、東京とあちこち回り、盗難車や銃器の密輸出入の取り締まり、地道な張り込みや薬物の押収といった仕事に従事したあと、本省で海外政府機関との条約交渉を担当。この経験は今の仕事に直接役に立っている気がします。その後、通訳・翻訳の会社に転職するのですが、ここで私のメンタルは相当鍛えられました。入社したとたん「仕事はないから君が仕事を取って来て」と言われ、ひたすらアポの電話をかけまくりました。怒鳴られる、ガチャ切りされる、さらには(相当暇なのか)説教をしてくる人もいて、ドライにならないと精神的に持ちません。それでも最後には大口の顧客を獲得することができ、「動きながら考えて早く失敗した方が早く成功できる」、そんな教訓を得た気がします。その頃に比べれば、今やっている海外の営業は楽しいものです。飛び込み営業でも「日本から来た」と言えば面白がってもらえることが多く、日本国内ほど冷たくされることはありません。


 

英語力を生かして、海外営業を一手に。

2023年7月インドネシアのディーラーショップのオープンに合わせて現地へ行って来ました。そして9月にはメキシコのディーラーショップのオープニングイベントに参加、協業デザイナーとの同行営業を行いました。1回の海外出張期間はたいてい1週間くらいで、多いときはその間に5カ国回ることもあり、目が覚めるたび自分の居場所がわからなくなって焦ります(笑)。宿はたいていコスト優先で選びますが、インドのホテルに窓がなくて一緒に行った社長に叱られたり、シンガポールでは部屋が狭すぎてスーツケースさえ開けないなんてこともありました(笑)。国際事業本部は輸出貿易事務と海外営業を担う部署です。カンディハウスはアメリカとドイツに現地法人を構えているほか、アジア・オセアニアを中心とした13カ国に販売代理店があり、さらに新規ディーラーの開拓も積極的に進めているので、販売地区は広大です。海外向け情報発信もその重要な役割のひとつで、ほぼすべてのSNSを使い、世界各国の設計事務所やインテリアデザイナー約3万5千人に向けて、製品紹介やブログを定期的に配信しています。

また、各国ディーラーが研修などで日本を訪れたときに対応したり、製品の輸出に関しては、申告に必要な書類作成から製品の積み込み作業まですべてこの部署で担当しています。私たちの仕事が他の部署と大きく異なるのは、法律に直接関わる部分が多いこと。十分理解してやらないと会社に損害を負わせるリスクもあります。実際のところ法律を理解して業務を進める方が効率もよいので、各種手続にかかる関税三法(関税法、関税定率法、関税暫定措置法)の根拠条文については、スタッフにもしっかり理解するよう指導しています。たとえば日本からの輸出は許可されても、仕向け国(荷受け国)での輸入が認められないことがあったり、部分的に免税が適用されなかったことが稀にですがありますね。そうした難しい面があっても、新しい国に取引先がふえていくのは楽しい。これからも新たな市場の開拓には力を入れていきます。

 

 

カンディハウスの前の仕事は、遠洋漁業。

前職としては意外に思われそうですが、通訳・翻訳会社のあと大手水産会社に入ったのは僕にとって、海外で英語能力を試したいという自然な動機からでした。ただ、ふたを開けるとその仕事は想像以上にハードで、ひと月の1/3は鹿児島、1/3はパプアニューギニア、1/3が静岡の自宅という生活。船を一艘担当し、そこでマグロを600t漁獲して満船になったら魚を水揚げ、入管、税関の手続、食料など必要な物資の調達と、できるだけ早く船を出港させるために駆け回ります。2カ月間船から下りられず傷だらけになりながら漁をしていたこともありました。英語が生きたのは確かですが、いつ家に帰れるのか、いつ海外に飛ぶかまったくわからない生活が続き、さすがに疲れて「旭川へ帰ろう!」と決めました。

カンディハウス、おすすめです。

休みの日は川釣りによく出掛けます。旭川を流れる忠別川ではどこでもニジマス、ヤマメが釣れます。それと秋にはキノコを採るため山林をさまよっています。なんと、市内の林にポルチーニが採れる場所も見つけてありますが、もちろん内緒です。北海道第二の都市ながら豊かな自然が身近にある旭川、アウトドア派には天国じゃないでしょうか。
多くの会社を経験してきた目で客観的に見ても、カンディハウスはよい会社だと思います。真面目で誠実、本気で従業員を幸せにしよう、社会のために何かしようという姿勢があり、ファミリービジネスではないこともあってか雰囲気は常に民主的。仕事を通じて自己実現、社会貢献を目指す熱い人にも、QOL(Quality of life)を重視して充実した余暇を過ごしたい人にも、その選択肢としてカンディハウスはおすすめです。
最後に転職のプロとして(笑)アドバイスをすると、仕事を考えることは人生を考えること。面接の準備は自分自身を見つめ内省するよい機会だと思うので、思う存分やってほしいです。転職活動や官庁訪問をしていた頃、私は想定質問を100個以上用意し、演技付きで答えられるよう徹底的に練習しました。それくらい詰めると自分が何者なのかが分かってくるし、演技の練習をしているうち面白くなって本番でも緊張しなくなるんですよ。そういう私が当社の面接を担当することもあります。お会いできるのを楽しみにしています。

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